各官公署に提出する書類や権利義務に関する書類の作成、及び提出手続きの代行を行う「行政書士」は行政書士法に基づく国家資格であり、専門職です。ドラマなどでも行政書士をモデルとした人物等が登場するようになり、御存知の方も多いでしょう。しかし、その行政書士の前身となる太政官達「司法職務定制」による代書人制度を御存知の方はまだ多くありません。「太政官達(だじょうかんたっし)」は明治時代初期に設置された太政官によって公布された法令の形式で、他にも「太政官布告」等があります。各官庁および官員に対する訓令としての意味を持つものについて、その結文を「云々候條此旨相達候事」等とし、後に太政官達と呼称されるようになりました。訓令の対象が各官庁および官員であるか、一般国民に向けたものかによって太政官達や太政官布告に分別しました。(ただし、実際の取扱いとしては厳密に区別されていたとは言い難いものでした。)ちなみに、「太政官」は明治維新政府に設けられた官庁名で、最高行政機関でした。「立法」、「行政」、「司法」の機能を備えたものです。明治18年に内閣制度が発足した際、公文式が制定されたことに伴い廃止されるまで続きました。
なお、前述の通り太政官は既に廃止されていますが、当時達した法令の中には現行の法令にも有効になっているもがあります。例えば、大勲位菊花大綬章の製式を規定した「大勲位菊花大綬章及副章製式ノ件」や国有財産の払い下げにおいてその監督官庁に所属する公務員の入札を禁じた「不用物品等払下ノトキ其管庁所属ノ官吏入札禁止ノ件」などが挙げられます。